今回はAmazonで非常にレビュー評価が高いので気になっていた、『Collar x Malice(カラー×マリス)』をプレイしてみたのでご紹介します!
もう、とにかくかっこいいんですよ…イラストも演出もストーリーも!これは高評価なのがうなずけます!
ストーリー

連続凶悪事件――通称【X-Day事件】が起き、
危険な街となってしまった新宿で、警察官として働く主人公。
地域の安全のために日々奔走していた彼女は、
ある夜、何者かに襲われ、
毒が内蔵された首輪をはめられてしまう。
混乱する主人公の目の前に現れたのは、素性の怪しい男性たち。
元警察組織に所属していた彼らは、独自で凶悪事件を捜査しているのだという。
彼らを信用していいのかわからないまま、
突如、大事件の鍵を握る存在となってしまった主人公。
死と隣り合わせの首輪を外すため、
悪意に包まれた新宿を解放するため、
彼らと共に捜査を開始することになるが――。
彼女の命は誰が握っているのか。
そして、新宿が再生される日は来るのか――。
Collar x Malice公式サイトより引用
最初に思ったのが「え?これ、乙女ゲーム…だよね?」って思ってしまうぐらいの設定のハードさとシリアスさと作りこみ!ストーリーの序盤では、まだ攻略対象キャラクターとの関係性が確立されていないこともあり、余計にハードでシリアスな内容が際立ちます。
事件に立ち向かっていく主人公や登場キャラクターたちの葛藤や苦悩、その末の決断・行動は、恋愛要素を抜きにしてもとてもドラマティックで見ごたえがありました。さながらゴールデンタイムの刑事ドラマを見ているかのような感覚ですよウキョウさん!(いろいろ違うのはご愛嬌で)

もちろん恋愛要素もすごくいいんですよ!シリアスなシナリオだからできるあれやこれやに、がっつり感情移入しちゃいました。惚れた腫れたのほのぼのした恋愛も楽しいんですけど、それだけじゃない信頼関係とか、衝突からの和解とかは、ほのぼのしたシナリオでは味わえないんですよね。めちゃくちゃシリアスな内容だからこそ成立する人間ドラマと恋愛要素は、一見の価値ありです!
しかし全編にわたってシリアスモードなわけじゃないんです!個人的にはここも好きなポイントでした!

緊張感のある世界観やシナリオの設定ですが、一部のキャラクターがムードメーカーの役割を果たしてくれているので、緊張感とコミカルさのバランスがとても良いです。…彼はムードメーカーというよりは、どちらかというと「アホの子」ポジションのような気もしますが。それもいいアクセントになってるんです!よ!!
OPムービーそのままの本編
ゲームを起動して最初に出てくるこのOPムービーがまたかっこいいんです…!
公式で配信されているのをリンクしてますので、ぜひ見てみてください。このカッコよさが本編にそのまま反映されてるので、OPにハマった方は本編も楽しめると思います!
ほんとかっこよすぎて、ゲーム起動するたびにOPをスキップできなくて困ります…!
ゲームシステム
基本的には読み進めるだけ

本編の9割は、文章を読み進めるだけの普通のアドベンチャーゲームです。途中選択肢がいくつか出てきて、回答次第で展開が分岐していきます。
選択肢の中には「信頼度」が上がるもの、上がらないものも存在し、その後の展開に影響していきます。
AVGパートの演出がすごい
このゲームでびっくりしたのが、AVGパートの演出でした。
たいていの乙女ゲームのAVGパートって、画面が主人公視点という設定の下、キャラクターが立って見えてますよね。で、仲良くなってくると、背景は固定のままキャラの立ち絵だけがアップになって表示されます。つまり、主人公の至近距離に近づいていることが表現されているわけですが、ほとんどの乙女ゲームって大体この2種類の表示方法のみで進行してることが多いと思うんです(あくまでAVGパートのみの話)
ところが『Collar x Malice』の場合は、画面の使い方がとてもフレキシブルなんです。
立ち絵の遠近で距離の表現をしてもいますが、それ以外にも

キャラクターと一緒に背景もアップになったり(主人公の視点ではなく、TVドラマのカメラワークのように見える)、

突然画面の一部にワイプのように画像が出て、マンガのようなコマ割りになったり

電話がかかってきたり、かけようとするとスマホを取り出すような形で出てきたり

メールが来ると画面が表示されたり

移動するときの専用画面が用意されていたり
と、かなり凝ってるんです。これらの演出がゲームの全体的なクールさと緊張感を作っていると思うのですが、実はこれってすごいことだと思うんですよ。
キャラクターと背景が一緒にアップになったり、マンガみたいなコマ割りになるのって、ゲーム内容になんら影響を及ぼしません。むしろ手間ばかりかかって、制作サイドにとっては負担にしかならないのではないでしょうか。
スマホやメール画面や移動の画面も、地の文や選択肢だけで済ませようと思えばできてしまいます。
その労力をわざわざ割いてまで、こだわって演出をしているのが、まず素晴らしい。そしてその演出がちゃんとかっこよくって、最後まで視覚的に飽きずにプレイできる点も素晴らしいです。
乙女ゲームって、こういうところでも面白さを感じられるんだーという新しい発見でした!他の乙女ゲームでこういうのあるかどうかはわかりませんが、この演出のクールさはプレイしてみないと伝わらないと思うので、ぜひ遊んでみてほしいです…!
推理パートはちゃんと推理できる

事件の捜査に当たり、登場キャラクターたちと情報共有したり、打ち合わせをする場面があるのですが、たびたび推理をしなくてはいけない場面があります。
この選択肢の回答次第でその後の展開が変わってきますが、これがちゃんと情報を整理してみると正解が分かるような作りになってるのが、結構気持ちよかったです!
でも、分かりやすく回想が入ったりとかってことはないので、しょっちゅうログを見まくることになります笑
選択肢を選ぶ前にセーブして、間違えたらやり直すという方法もできますけど、一回で正解を選べるとかなり気持ちいいですよ!自力での推理もおすすめです。
油断できないトリガーシステム

銃刀法が解除された新宿が舞台の物語なので、主人公も銃を携帯しています。
この銃を使うときに、突然「トリガーシステム」の画面に移行します。〇ボタンをタイミングよく押して、発砲するというだけのものなんですけど、本当に突然来るので、私は苦手です笑
特にスキップ中は油断しやすくて、うっかりボタンを押すの忘れます。銃を撃つ主人公ちゃんはかっこよくて好きですが、押し損ねないように気を付けないと!
『カラマリ』キャラクター別感想
キャラクター別の攻略感想です。ある程度のネタバレを含んだ感想は「ネタバレ感想を読む」をクリックすると開きます。感想はクリアしたら順次追加していきます。
柳 愛時(やなぎ あいじ)
曲者ぞろいのメンバーの中の良心。損な役回りかもしれませんが「お父さん」的安心感は随一。この見た目でお料理上手でお父さんポジションなのはおいしすぎますね…!
ネタバレ感想を読むやーもう、控えめに言って最高でございました!
メインの事件に対する落としどころもよかったですし、主人公との関わりや柳さん自身の抱えてる問題との葛藤も良いシナリオでしたし!そして何より、他のキャラの問題解決まで拾ってくれるとは思わなかった!何これ、大団円じゃないですか…ずるい、ずるいぞ柳さんルート最強すぎますって!!

まず特筆すべきは、森田さんの演技でしょう。柳さんはけっこう渋くて大人っぽいキャラだなぁと思っていたので、「森田さんがこういうキャラやるの初めて見るな~」と思いながら遊んでたんです。…が!が、ですよ。柳さんの過去を知って、森田さんのキャスティングに合点がいきました。
これは森田さんが演じられるから輝くキャラクターだ…!むしろ序盤の大人っぽい柳さんと、過去を知ったことで見えてくる柳さんの一面の両方を見られて、すっごくお得。森田さんの渋めの演技も魅力的であることを新しく発見できたのは、非常に大きな収穫でした!!

その他のキャラのルートでは「お父さんキャラ」だった柳さんでしたけど、柳さんルートを終わってみると、立ち絵すら見え方が変わってくるぐらい青臭いところがあって。他キャラルートでは相当、距離を置かれていたんだなぁって実感します笑
キャラの感想とはちょっと離れますが、メインストーリーの解決も大きなポイントでした。犯人の名前を入力するときは、とても緊張しましたし、もはやバレバレで誰だか分り切っているとはいえ、名前の入力をするのがちょっとためらわれました…

大詰めの話ということで、いろいろと考えさせられました。柳さんの青臭い信念しかり、アドニスの主張しかり。少しでも語ると核心に触れてしまいそうなので、我慢しますが…こういうシナリオ構成が、このゲームを面白くしている一つの要因でもありますね。ひとつひとつ、じっくりと読みながら進めたくなります。
たとえ柳さんが推しじゃなくても、ぜひ柳さんルートまでしっかり制覇していただきたい内容でした!これを見ないとカラマリは終われません!!
岡崎 契(おかざき けい)
現職SPで、柳さんたち事務所メンバーではない部外者。上からの命令で柳さんたちを警護しているらしい。5階の窓から事務所に入ってきちゃいます。怪しい。怪しさしかない。
ネタバレ感想を読むこのゲーム中、性格の悪さでは白石さんと1・2を争うレベルの食えない男でした!が、基本的にはのんびりと穏やかで優しいので、最初に親しみを感じやすいキャラクターだったなぁと思います。

彼の行動理念を知ったときは、お、おぅ…ってなるんですけど、ちゃんと腹割って話せる人でもあるんですよね。それは誰にでもじゃなくて、主人公ちゃんに対してだからっていうのはありますけど、その信頼関係を構築できる程度の誠実さがあってよかったなぁと、安心してしまいました笑
その腹割って話すところは、彼にとっては誤算だったはずなんですけど。そこを取繕わずに、逃げずに、逃げたかった気持ちや未練のある気持ちも認めて、ちゃんと向き合ったっていうのは、好感度高いなぁと。途中「代わりを探せばいいんだ」的な発言をしだしたときは本当に心配しましたが…主人公ちゃんとだから、成長できた部分でもあるんでしょうね。

イベントはいいのがたくさんあって!まだ距離感を掴みかねているときに、タクシーの中で隣に座ってるのにメールでやり取りするのは、微笑ましかったですねー。ボケっとした顔してるのにメールでは表情豊かなの、ちょっといいですよね!
それと吉成くんの存在は大きいですよー。いい後輩に恵まれてますよね、岡崎さん。岡崎さんと主人公ちゃんの関係を勘違いしてフォローしようとする吉成くんの「あの、俺ちょっと語りますね!」っていうのがほんと可愛いし、いい子。岡崎さんは、吉成くんをもうちょっと見習いましょうか笑
あとこれはちょっとマニアックかなと思うんですけど、岡崎さんが主人公ちゃんを「理想の人」と認められなかった場合のバッドエンドまでのボイスが超怖いんですよ!

それまですごく優しかった岡崎さんなのに、もう呆れられたというか絶望されたというか見放されたというか諦められたというかがっかりされたというか落差が酷い!!
正解ルートとの態度の違いから、彼の持つ危うさがよくわかる内容でした。一歩間違ったらヤンデレもあり得たんじゃないかなこの人…一応呼び出しには応じたわけですもんね。たぶんがっかりしても、どこかで主人公ちゃんのことを好きな気持ちがあったんだと思うと、切ないなぁ。ちょっと狂気を感じる岡崎さんの状態、心に余裕のある方は是非ご覧いただきたいです…!きっと歪んだ愛情系がお好きな人にはハマると思います!
榎本峰雄(えのもと みねお)
能天気バカというか、愛すべきアホの子というか、永遠の中二病(悪く言っているつもりはないけど事実だから…ごめんね峰雄くん)。持ち前のエネルギッシュな明るさで、周りを笑顔にしてくれるすっごくいい子だと思います!23歳だけど。
ネタバレ感想を読む彼のルートは全編を通して「似た者同士」感が楽しかったなぁ~と感じでした!
主人公ちゃん自身が、考えてることがすぐ顔に出る単純さと、他人のために命を張れる優しさと勇敢さを持っている女の子なんです。峰雄くんも負けず劣らず単細胞素直なので、最初の方の言い合いは特にギャーギャー賑やかな感じで、「楽しそうだなぁこの子達」と保護者のような気分になりながらプレイしてました。

もうどうしようもないくらいに、純情なんですよねぇ。23歳なのに全く擦れたところがなくて、擦れなさ過ぎて色々拗らせてるのはかわいそうですが…そういうところが可愛いし、擦れてないからこそ漢気あふれる青年になったし、なろうとしているのがすごくよくわかります。
なので恋愛段階が進行していくにつれて成長していく彼を見て、なぜか感動すら覚える笑

ムードメーカー的な役割もしているので、テンションの高さと顔芸にも、気持ちが助けられますね!メインのストーリーが結構しんどい展開なので、峰雄くんが明るくいてくれるとすごく元気をもらえる感じがします。甘いイベントはちょっと期待できないんですけど、一緒にいて楽しい感じが味わえるのは、峰雄くんならではな感じです!勇気づけられたい人におすすめなルートでした!
笹塚 尊(ささづか たける)
肉体派の多いメンバーの中で、頭脳派の笹塚さん。ドーナツすごい似合います。ツンデレ…いや、ツンツンですが、だんだん優しいツンツンになっていくのが可愛く感じます♪
ネタバレ感想を読む帰国子女ってことでしたけど、性格は古風な日本男児って感じだったかな?ご飯代持ってくれたり、5分前行動が基本だって言ってみたり、お鍋の具を取り皿に取ってもらったりっていうのは、ちょっと昔の時代の日本人男性な印象があったかも。

ただねー、これが全然嫌な感じしないんですよ。言葉や声から、感謝やうれしいっていう気持ちが滲み出てるのが分かるんですよね。笹塚さんの魅力はここでしょう。見ててニヤニヤしちゃいます。
ここまで態度に出ちゃうのって、彼が誠実な証拠だと思うんですよね。最初の方から、めちゃくちゃシビアなことを主人公に伝えたり、テストに合格した主人公をちゃんと認めたりと、ちゃんと向き合ってくれていて。「逃げられない」宣言もそうですよね、適当に受け流そうとしないんです。本当に「合理的」に考えれば、岡崎さんのようにのらくらとやることもできるのに。

だから笹塚さんルートは全編を通して安心感があったし、より「パートナー」感を感じながらプレイできました。一緒に並走している感覚というか。一方的に守られるだけじゃない物語で、充実感を感じられました。
実は主人公ちゃんと笹塚さんって感情が隠し切れない素直さってところで似てますよね。素直という点で似た者同士だから、峰雄くんとも仲良しなのかな。本人は不本意でしょうが笑
3週目にクリアした感じ、岡崎さん・峰雄くんルートより若干短かったかな?と思ったんですが、もしかしたら派手なアクションシーンがないせいかな。展開の唐突さは一番少ない感じでしたが、大立ち回りもなかったので、好みが分かれるかもなぁと思いました。私は好きでしたけども!

それとね!とにかくドーナツ食べたくなるので困るんですよ笹塚さんの話は!!コンビニにドーナツが充実している時代で大変助かりました!深夜のプレイには要注意です!
(2018/2/5追記)全員終わってみて、笹塚さんが一番かっこいいと思いました!子供っぽく見えるのは本当に見た目だけで、精神年齢は誰よりも大人だったんじゃないでしょうか。厳しい人ですけど、ちゃんと頑張ってる主人公ちゃんを認めてくれて、たまに甘やかしてくれて、一緒に進もうとしてくれる姿勢に惚れてしまいました…!!
特に柳さんルートでの笹塚さんが男前すぎまして!12月30日に署内で会ったときの接し方とか反則過ぎるでしょう…!!いくらでもドーナツ貢ぎますよ!!むしろいくつ貢いだら靡いてくれますでしょうか!?!?
白石景之(しらいし かげゆき)
見た目からやばいのが丸わかりな上にプロファイラーっていう職業でもはや危ない匂いしかしない危ない人です。猫耳が似合う29歳。部下の向井さんが怒りたくなる気持ちがよくわかります。
ネタバレ感想を読むしんどいしんどいしんどいハッピーエンドもスチル付きのバッドエンドもどっちもしんどすぎて辛いです…!!(好きすぎてしんどいんじゃなくて一般的な意味でしんどい)
白石さんは1週目を遊んだ時から、何かあるんだろうなぁと思ってはいたのですが、まさかそうきたかーって感じで…

「プロファイラーとしての白石景之」が、性格まで指定されて作られたものなのか、それとも白石さん自身ががプロファイラーとして仕事をする中で自分で確立していったものなのか。終盤、ゼロの「彼の独断で」というセリフから、白石さんにある程度の裁量は任されていたと仮定すると、後者の可能性も十分あり得ると思うんですけど。
もしそうだとしたら、どうしてわざわざあんな嫌われる性格を選んでいったのか…人望を集める方が来るべき役割を果たすためには得なのでは?とも思ったんですよ。でももし無意識に「割り切りやすくするため」「割り切っても自分が傷つかないようにするため」にそうなっていったのだとしたら。「わかってないから・知らないから無神経」な風な白石さんでしたが、もしかしたら自分の心の脆さに、見て見ぬふりをしていたのかもしれませんね…主人公ちゃんへの気持ちで取り乱すところもありましたし…

いや、もう…考えれば考えるほどしんどいですね、幸せになってほしいよぅ……
そんな感じでかなり厳しい展開だったんで、クリア後に見られるミニシナリオとか、シチュエーションボイスとかがもうね…ほのぼのした展開が見られてよかったです。ほんとよかったです…涙腺大崩壊が免れません…;;
ところで白石さん、他の人とエンドを迎えた場合はどうしてたのかな?ゼロや御国が生きていた場合はそっちに戻っちゃいますよねきっと。ううーん、つらい。難儀な人だわ。

そんな中、ちょっとクスッと来たのが、白石さんにかかわる人たちの表情が豊かなのが!基本的に話が厳しい展開なので、大変和みました~
続編『Collar x Malice Unlimited』にも期待!

2018年中発売予定で、続編の『Collar x Malice Unlimited』の制作が発表されてますね!
発売がいつになるのか、それ以外の展開はあるのか、今後の発表にすごい期待してます…!
まだまだ盛り上がりそうなカラマリ!今からでも遅くないのでぜひ遊んでほしいです!!好きな人増えて~!